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Jast a Traveler

泳げない人魚

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わたしにとって社会は「プール」です。
 
しかも結構深いです。
 
玄関から足を一歩踏み出すとそこはプール、だからまず最初に深呼吸をしてから一歩踏み出します。
 
水はだいたい口の半分くらいまであるので、水が口に入らないように一生懸命身体を浮き上がらせています。溺れかけているような状態で、必死にジタバタしています。
 
前から人が歩いてくるだけでさざ波が立つので、手足で水をかき口の中に水が入らないように顔を上げます。
 
その人が知っている人の場合には、アップアップしてるのがバレないようにニコニコしながら「こんにちは」と挨拶をします。
 
挨拶が1往復で終わらない時には、口に水が入らないように必死なのでニコニコ顔が引きつってしまいます。
 
話が終わって一人になるとさざ波が消えるので、ホッとしてまた手足をかきながら水に潜ってしまわないように注意します。
 
そこが人混みでざわざわした場所であったり、車の往来や大きな音が飛び交っていたり、場の空気が冷ややかであったり....
 
そんな所にいたら自分がどうなってしまうかわからないので、とにかく出来るだけ早く安全地帯に逃げ込みます。
 
安全地帯、そこは自分一人になれるスペースです。
 
だけどそう言う場所はそんなに多くはないですから、家にいるのが安心なんです。
 
家に帰るといつも大きく深呼吸します。いつでもいっぱい息が吸えるので、本当に安心します。
 
時々家族がいても家がプールみたく辛くなってしまうこともあって、そんな時は自分の部屋にこもってヘッドフォンをして音楽を聴いたりしてしのぐこともあります。
 
外は(社会は)深いプールのようで、ビクビクして溺れそうになりながらやっとやっと暮らしています。