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Jast a Traveler

実体験の乏しさとアウトプットの大切さについて。

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以前、起業をして生涯賃金とほぼ同額の貯金ができ、アーリーリタイアされた方が書いた記事を読んだことがあります。

 

リタイアをすると、余計な人間関係で神経をすり減らすことはなくなるけれど、人と関わる機会が圧倒的に減るため、実体験の機会が減り孤独感を感じるそうです。 人と関わることが好きな人は、趣味の合う仲間を作りそれなりに楽しく過ごす人もいるらしいのですが、そういう人でもない限り大抵は一人で過ごす時間の方が長くなるからだそうです。

 

仕事をバリバリしていた時には当たり前だった、人と関わるスキルが当然ながら落ちてしまうのは仕方がないですよね。

 

 

 

アウトプットの仕方が分からない

最近の学生さんは、ネットからの情報をたくさん得ているのにも関わらず、実体験が大変乏しいという話を聞きます。

 

インプットの量とアウトプットの量の差がかけ離れているのだそうです。

 

英語を話せるようになるにはどうすればいいの?という質問を学生さんは本気で尋ねてきます。 それは単純に、話すという実体験を増やすだけのことだと思うのですが、そうすると今度はどうすれば実体験が出来るのかと、その方法を真顔で尋ねてきます。 実体験をする方法をネットで検索し始めるのです。

 

 

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知識と体験は別物

ネット上で人が検索をするのは、当人が経験をしていなくて分からないことを調べるためでもあります。

 

例えば初めて行く場所への行き方やその町の情報を得るには、実際に行った人やそこで暮らしている人の体験談が貴重な情報になります。 検索する側にとっては、机上の空論だけを述べた情報よりも実体験からの情報の方が、明らかに有益なはずです。

 

またネット上では自分の知識をひけらかしあい、激しく口論している場面に遭遇することがあります。 確かに知識が深い人は知的なイメージが強く反論しづらい所があるけれど、その知識が実体験と結びついているかどうかは別の話です。

 

 

実体験はしんどい

私達にも同じことが言えます。 病気のために家の中にいることが多くなり、人と関わる機会が極端に減ってしまうこと、つまり実体験が乏しくなってしまうことは、残念なことですがやむを得ないことです。

 

そんな状態でいきなり何か仕事を始めることは、とても大変なのは容易に想像することが出来ます。 私の場合だけかも知れませんが、仕事って業務を覚えることよりも人間関係のストレスの方がはるかにしんどいです。

 
 
 

私も苦手です

私もこんな記事を書くだけのことはあって、人と関わることは決して得意ではありません。

 

自分から人に声をかけるのには勇気がいります。目的の場所が見つからず困った時でも、人に尋ねることを躊躇して遠回りをし、くたくたになることも度々ありました。

 

そんな私ではありますが、困った時に人に声をかけて助けを求めるというとてつもない困難を、実体験を通じて今は少しだけ乗り越えることが出来ました。

 

どうしても人に聞かなければ、自分一人ではどうにもならないほど困ったことがあったからです。 それは初めて海外バックパッカーデビューをした時のことです。

 

 

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知識の検証だけの旅

生まれて初めての海外旅行は、ツアーではなくバックパッカーという全て自分で旅の手配をする個人旅行でした。 英語を話すという体験はもちろん初めてでしたし、人に自分から声をかけられないハンデキャップも抱えていました。

 

そのため出発する前には、旅の情報をネットでこれでもかという程調べまくり、頭の中は大量にインプットされた情報であふれかえっていました。 そんな情報を頼りに、旅だけはどうにか自分一人で出来たのですが、帰りに大きなトラブルに巻き込まれ、いつ帰れるか分からない状態に陥ってしまったのです。

 

 

 

ハードルを越えた日

私は個人旅行だったため、ツアー会社に対応してもらうことなど出来ず、一人でチケット争奪合戦に参加しなければならない状況でした。

 

大勢つめかけた外国人旅行者でごった返したオフィスの中で、私ひとり誰にも声をかける事が出来ず、その日はチケットを手に入れる事が出来ませんでした。

 

1ヶ月は帰れないなどいろんな噂が飛び交っていて、このままだと薬もなくなってしまうし、自分一人で解決するのは不可能だとその時思いました。

 

そして翌日またオフォスに並び、でも並んだところで交渉するだけの言葉も話せないし、どうしていいか不安で仕方がない時に、少し前方に日本人らしき女性とその通訳さんらしき人がいる事に気付きました。

 

私はそんな状況の時でさえ、声をかけようとすると身体が震えてどうしても声をかける事が出来ないでいました。

 

30分くらい「すみません」と一言声をかける決心をするまでに時間がかかりましたが、勇気を振り絞ってやっとのことで声をかけると、通訳さんが私の分も頼んでくださると言ってくれたのです。

 

その後別な日本人の方もやって来てくれて、一緒に交渉をしてもらいどうにかチケットを手に入れて無事帰国する事が出来ました。 その方達には今でも大変感謝しています。

 

 

 

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 実体験は暴露療法

実体験とは、簡単には言いきれませんが暴露療法のようなものなのかも知れません。

 

初めての旅でトラブルがあったおかげで、私はその恐怖を実体験から乗り越える事が出来ました。 今ではガイドブックを見なくても地図だけで、分からなければ誰かに聞きながら自由に旅をしています。

 

初めは新しいことにチャレンジすることに対して、強く恐怖心を抱くかも知れないけれど、少しずつ体験しながら恐怖を克服していく様は、暴露療法にも近いように自分には感じました。

 

こんな荒療治をわざわざしなくても、日常生活の中で十分実体験の乏しさや生き辛さをを解消する方法はあるのかも知れません。

 
 
 

難しいことですが

私も人との関わりは今もまだ苦手ですし、避けられるなら避けたいところではあります。 どうしても悪い体験の方が頭に焼きついて、その体験から生きる事に消極的になってしまっていることは確かです。

 

けれど頭の中だけで知識を増やすだけでは、生き辛さは解決出来ないということに気付く事は出来ました。 実体験の乏しさを解消するのには、当たり前の事かも知れませんが、自分にとって苦手である実体験を増やすしかないようなのです。

 

 

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春ですから

出来ることなら極端に悪い事だけでなく、良い情報もインプットする。 そしてそれを自分にとってハードルの低い誰かで試しながら、少しずつアウトプットの量を増やしていけたら、大きな不安が少しだけ小さくなるかも知れません。

 

以前にも書いたかも知れませんが、人は良い人だけではないけれど悪い人だけでもありません。 季節はすっかり春ですし、春は実体験を増やす絶好のチャンスですね。