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季節性情動障害は存在しない?うつ症状に季節は関係ないの?

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季節性情動障害(SAD)について、疑問を呈する研究結果がアメリカで報告されたそうです。うつ病には波があるので、冬季に症状が現れたからと言ってそれが季節が原因とは限らないと言う主張のようです。

 

www.qlifepro.com

 

現在多くのSADの患者さんがいるにも関わらず、こう言った研究結果に至るのかという事については、研究の実施方法や、質問のたずね方が主な原因なのだと研究者は語っています。また、SADの存在は否定しないがごく少数だとも述べています。


これは研究結果のひとつなので必ずしも正しい訳ではないとは言え、個人的には「えーっ?!」て感じです。自分は冬に調子が良くない事が多いので、医師にも季節性ですねと言われているのでなおさらです。

 

精神疾患に限らず、例えばダイエットなんかにしても「これは効果がある!」とニュースなどで伝わって大流行したとしても、数年すると「それは間違い」だと、まったく真逆の研究結果が健康番組などで伝えられたりするのと同じ感じもします。

 

 

 

日照時間は関係ないの?

しかしもし季節の影響は無いとすると、日照時間だの光療法なんていうのはどうなってしまうのでしょうか?

季節性情動障害の定説は日照時間が原因だと言われています。


冬期うつの発症率はフィンランド人が10%、日本人は1〜3%程度なのだとか。日光曝露量の関係はないとする研究結果からすると、なぜフィンランド人の冬季うつがこんなに多いのか不思議な気がします。日本では病名があまり浸透していないので、もしかしたら診断される人自体が少ないのでしょうか。


 

光療法はどうなの?

wikipediaには、下のリンクの研究を例に挙げ「2016年の非季節性情動障害への光療法の効果を調査したメタアナリシスでは、有効であるものの証拠の質は低い(信頼性は高くない)」と書かれています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4998929/

 

病名すら怪しいとなれば、こういった結果が出るのも不思議ではないですが、一方でwikipediaでは季節性情動障害、冬季うつ病にとくに有効とも書かれてあります。

 

 

 双極性障害と光療法の関係

光療法や季節性のうつ病自体が怪しいとなれば、社会リズム、特に睡眠のリズムを整えることが大事とされる双極性障害の当事者によく言われる、体内時計をリセットさせるために光療法は効果あり、という考えはどうなの?と思って調べてみたところ「日本うつ病学会治療ガイドライン の2017年以前の双極性障害の治療の中で

 

「季節性の特徴を伴う場合には、高照度光療法の導入」

 

 

と書かれてありました。それに加え

 

「高照度光療法では、躁転が生じた事例も報告されているため、症状の観察に注意が必要である」

 

 とも書かれていましたが、最新版ではカットされています。

 

双極性障害の人になんでもかんでも光をあてれば良いというものではなさそうですが、その後ガイドラインからカットされたということは、光療法で躁転というのは含めないということなのでしょうか??

 

調べてみたらそうではないようです。

 

 2020年現在、日本うつ病学会治療ガイドラインⅡ.うつ病(DSM-5)/ 大うつ病性障害 2016 の中にある、第2章 軽症うつ病のその他の療法には

 

[高照度光療法] 季節性のうつ病に対しては、軽症であっても考慮されるべきである。どの程度の光量や頻度、時間が最適であるかは今後検討される必要がある。ただし、季節性のうつ病は双極性障害との関連性が指摘されており、治療を行うにあたっては双極性障害の可能性を念頭に 置かなければならない

 

と書かれています。

 

 

同じく睡眠に関連するその他のうつ病治療という項目によると

 

高照度光療法 うつ病に対する高照度光療法は 1980 年代に、季節性うつ病に対する治療法として始められ、その後非季節性うつ病に対する研究が行われるようになった (Benedetti, 2012)。APA の精神科治療に関する研究 委員会の勧告(Golden et al, 2005)や Cochrane のシステマティック・レビュー(Tuunainen et al, 2004) では、非季節性大うつ病に対する高照度光療法は抗うつ薬療法と同等の効果を持つと結論づけている。さら に、適切な薬物療法に組み合わせることで効果は相加的になる。一般的には早朝に 1~2 時間行うことが推奨 されている(Benedetti, 2012)。

 

 

とあり、非季節性うつ病の人にも効果があると記されてあり、先ほどwikipediaにあった参照ページは疑問視されていないようです。ただし見たところ、文献は古いもののようです。

 

 

感想

冒頭の研究である、日照時間減少に関連するとされる季節性情動障害が存在するかどうかについては、海外で意見が分かれているようですが、脳の疾患はまだまだ分からないことが多いので、さらに研究を続けて欲しいと思います。

 

とりあえず日本では、「季節性のうつ病」という呼び名もガイドラインで謳われています。非季節性大うつ病にも「光療法」が効果があると定められていますし、害がないのであれば高照度光療法はありなのではないでしょうか。一般の人でも雨の朝は気分が下がります。太陽という自然の偉力は本当に素晴らしいです。

 

冬季にうつ状態になるような人は、冬は布団から出るのも外に出るのも辛いものなので、以前「季節性情動障害とは」という記事でもご紹介したように、太陽の光にあたらずとも部屋の中で気軽に光療法が行える、ライトボックスを使用するのが一番楽かなあと思います。

 

光療法の標準器 高照度照明 ブライトライトME



季節性情動障害についてはこちら

https://www.momoco.org/entry/about-SAD

 

www.momoco.org